外国為替相場は24時間動き続けています。
しかし、私たちは24時間ずっと値動きを追うことはできません、睡眠時間や仕事の時間もありますから、ずっと為替相場を監視し続けることは不可能です。
そこで、FXでは「自動売買」に近いさまざまな注文方法が用意されています。
FX独自の注文方法を使い分けることで、為替レートの動きを見ていなくても、あらかじめ設定したルールにしたがって自動的に売買の注文を行うことが可能です。
IFDとOCO注文を覚えよう
数あるFXの注文方法の中でも、代表的なのはIFD注文とOCO注文です。
これらの注文方法は、値動きの荒い雇用統計でも役立ちます。
雇用統計のような値動きが激しい相場では、クリックによって注文を出すのは大変です。
あらかじめ、IFDやOCOを設定しておくことで、特定の為替レートになったら自動的に注文を発動できるので、雇用統計においても意図した売買が行いやすいです。
IFD(イフダン)
IFD(イフダンと読みます)は、FXの売買注文と利益確定(損切り)を同時に設定しておくことができる注文方法です。
特に雇用統計などの瞬間的な売買が必要な時に役立ちます。
【ケース1】
現在のレート:1ドル=110円
為替レートが105円になったら米ドル円を購入
と同時に、米ドル円が120円になったら利益確定注文を出す。
解説:105円の指値注文+120円の利益確定を自動的に行ってくれます。
【ケース2】
現在のレート:1ドル=110円
為替レートが105円になったら米ドル円を購入
と同時に、米ドル円が100円になったら損切り注文を出す。
解説:105円の指値注文+100円の損切りを自動的に行ってくれます。
【ケース3】
現在のレート:1ドル=110円
為替レートが115円になったら米ドル円を購入
と同時に、米ドル円が120円になったら利益確定注文を出す。
解説:115円の逆指値注文+120円の利益確定を自動的に行ってくれます。
■雇用統計ではどう使う?
雇用統計では、内容が発表された瞬間に為替が大きく上、または下に動くケースが多いです。
そのような場合、「ケース3」のIFDを使うことで、以下の様な取引が行えます。
- 上に動いたら自動でロング、10銭だけ抜いて利益確定
- 下に動いたら自動でショート、10銭だけ抜いて利益確定
OCO(オー・シー・オー)
OCO(オー・シー・オー)は、利益確定と損切りの注文を同時に出せる注文方法です。
リスクコントロールの観点から見ても、OCOは非常に有効な注文方法なので、積極的に活用することをおすすめします。
FXでは、利益確定ラインを設定しておくだけでなく、あらかじめ損切りライン(ロスカットライン)も決めておくことが大切だと言われています。
OCOでは、利食いと損切りの両方を1回の注文で指定しておくことができます。
もし、現在の為替レートよりも30銭上がれば自動的に利益確定、10銭下がってしまった場合は自動的に損切りをします。
あなたは、最初に注文を設定しておくだけで、Exit(売り抜けの部分)については自動で実行されるので、相場を監視しておく必要がなく、結果を待つだけでOKということです。
■OCOを使わないとどうなるか?
利益確定ラインだけを設定し、損切りのラインを設定しておかないとどうなるでしょうか?
運が悪いと、底なしで為替が下がり続けてしまう可能性があります。
30銭の利益を狙うつもりが、逆に300銭の損失になってしまった。。。という話はFXではよく聞かれる話で、これらは「負け組投資家の典型例」とも言われています。
負け組投資家にならないためにも、OCO注文はフル活用し、リスクコントロールをしっかりと行いましょう。
IFO注文とは?
IFDとOCOをミックスした「IFO注文(イフダンオー・シー・オー)」というものもあります。
本来、OCOはすでにポジションを持っている状態で、利益確定と損切り注文を設定する方法です。
しかし、IFOの場合は現在ポジションを持っていない状態でも、あらかじめ利食いと損切りのラインを設定しておけるのです。
まとめると以下のようになります。
■IFD(イフダン)
- どこで買うか?
- どこで売るか?(利益確定 or 損切り)
■OCO(オー・シー・オー)
- どこで利益確定するか?
- どこで損切りするか?
■IFO(イフダンオー・シー・オー)
- どこで買うか?
- どこで利益確定するか?
- どこで損切りするか?
つまり、IFOの場合は、最初に入力する為替レートが3つあるということです。
この注文方法を有効的に活用すれば、朝から夜遅くまで働きているサラリーマンの方でも、十分にトレードに参加できます。