友達に聞いたり、雑誌で読んだり、「FX」という言葉を耳にしても、「FXとは何なんだろう?」と疑問に思う人は多いと思います。
このページでは、FX(外国為替証拠金取引)について、はじめての方でもわかりやすく解説すると同時に、押さえておきたい3つのポイントも紹介します。
FXとは?
FXとは、英語では「Foreign exchange」の略称で、通称「Forex(フォレックス)」と呼ばれています。
日本語に訳すと「外国為替証拠金取引」と言われており、日本語で理解することが、FXの正体を紐解くカギとなります。
FX(外国為替証拠金取引)とは、その名の通り外国為替の取引の一種です。
ニュースなどでも、「1ドル98円、円高」などと耳にする機会はありますし、外貨預金をしたり、旅行に行く前に現地通貨に両替する時に、外国為替の取引を身近に体験している人は多いと思います。
では、次に「証拠金取引」の部分について理解します。
証拠金取引とは、業者に証拠金(保証金)を預けることで、自分が持っているお金(業者に預けるお金)よりも大きな金額の取引ができる仕組みです。
24時間動き続ける外国為替市場の為替レートを利用して、通貨を売買することで、為替差益(為替差損)が発生します。
証拠金を利用して大きな金額の取引をし、利益が出た場合は証拠金(FX口座に預けているお金)が増え、損失が出ると証拠金から損失分が差し引かれるといった具合です。
このような証拠金取引の仕組みを「差金決済」と言い、実際に外貨の買い付けは行いません。
つまり、実際の為替レートを利用して利益・損失は発生するものの、取引そのものはバーチャルに近いという解釈です。
旅行で日本円の現金を米ドルに両替することを、「現物取引」と言い、これはリアルな取引です。あなたがもし10万円しか持っていなければ、10万円分の取引しかできません。
100万円分の取引をするためには、100万円を用意するか、借金をする必要があります。
しかし、FXでは証拠金取引の仕組みを使っているため、「借金」をすることなく、業者に預ける証拠金10万円に対して100万円分の通貨取引ができるというわけです。
証拠金取引には、FX以外にも
- CFD(差金決済取引) – 株価指数や原油・金などの証拠金取引
- 日経225先物・オプション – 日経平均株価の指数を取引する
と言った様々な種類の取引が存在します。
押さえておくべき3つのポイント
FXでは、証拠金取引の仕組みを利用して、リアルではできないようなバーチャルならではの柔軟な取引ができます。
外貨預金や、旅行時の両替を頭に思い浮かべながら、FXとの違いについて考えてみてください。
レバレッジ
レバレッジとは、「手持ち資金以上の金額の取引を可能にする」証拠金取引ならではの仕組みです。
「テコの原理」のように、小さな資金でも大きな金額の取引ができるのがポイントです。
レバレッジの仕組みがあることで、初心者の方や手持ちの資金が少ない人でも、気軽にFXを始めることができます。
そもそも、10万円の資金で外国為替取引をして、10万円がなくなってしまうことはありません。
また、5万円の利益や損失が出ることもありません。
なぜなら、外国為替市場はそんなに大きく動かないからです。
10万円の手持ち資金に対して、5万円の利益を出そうと思ったら「1ドル=100円」が「1ドル=150円」にならなくてはなりません。逆に、5万円の損失を出すためには「1ドル=100円」が「1ドル=50円」になる必要があります。
これは、マクドナルドのビッグマックに例えると、今日は600円だったのに、明日は900円、明後日は300円になるのと同じです。
外国為替は1日に1円動くだけでも大きな出来事なので、50円も上下してしまったら、経済が破綻してしまいます。。。
そこで、10万円の手持ち資金に10倍のレバレッジをかけて100万円分の取引をすれば、外国為替市場が大きく動かなくても、適切な利益(または損失)を得られるというわけです。
FXでは、レバレッジを使って手持ち資金以上の取引ができる。
それによって、利益や損失の大きさを自分でコントロールできるのが、第一のポイントです。
ロングとショート・通貨ペア
外貨両替の現物取引では、ほとんどの場合、あなたが持っている日本円と、米ドルやユーロなど、旅行で行きたい国の通貨を両替すると思います。
しかし、FXでは証拠金取引ならではのバーチャルなしくみで、現実では難しい2つの取引も、簡単に実践できます。
1つめは「通貨ペア」です。
私たちは日本人なので、旅行に行くときは日本円と米ドル、日本円とユーロを両替します。
しかし、もしあなたがアメリカ人だったらどうでしょうか?
アメリカ人が旅行に行く場合は、米ドルと日本円、そして米ドルとユーロを両替し、日本やユーロ圏に旅行することになります。
このように、日本円しか持っていなくても、「米ドルでユーロを買う」、「イギリスポンドで米ドルを買う」、はたまた「豪ドルでNZドルを買う」といったことが、FXでは可能です。
日本円で世界中の外貨を売買できるだけでなく、「世界中の外貨を使って世界中の外貨を売買できる」ことが、通常の両替や外貨預金ではできない、FXならではの仕組みです。
2つめは「ロングとショート」です。
ロングは「買い」、ショートは「売り」という意味があります。
先ほどの説明と同様に、一般的な外貨預金では手持ちの日本円を使って米ドルを買うことしかできません。(外国為替市場が円安になると利益、円高になると損失)
しかし、FXでは「日本円で米ドルを買う」だけでなく、アメリカ人の立場になって「米ドルで日本円を買う」こともできます。
この「米ドルで日本円を買う」ということは、つまり米ドルを売っていることになるので、「米ドルをショートする」と言いますが、今は理解できなくても構いません。
「米ドルで日本円を買う」ことができると、「外国為替市場が円高になると利益、円安になると損失」となり、外貨預金で利益や損失が出る状態と、まったく逆の状態になります。
外貨預金では、為替が円高になっている状態ではどれだけ頑張っても儲けることはできませんが、FXの場合は自分の判断次第で、円安になろうと円高になろうと、為替市場が動き続ける限り、いつでも利益を手にするチャンスがあります。
スワップ
スワップとは、金利収入のことです。
銀行に預金をすると、利息が付きますし、外貨預金をするとより良い金利で利息がもらえます。
FXも同様で、外貨を購入すると「スワップ金利」として利息収入を手にすることができます。
FXのスワップ金利の大きな特徴は、「スワップ金利は毎日発生する」ことです。
銀行預金や外貨預金は、毎月1回、決まった日にしか利息は発生しません。
しかし、FXでは原則として毎日スワップ金利が付与されるので、短期間の取引でも金利収入を得られます。
毎日付与されるスワップ金利も、FXならではの特徴です。
もちろん、レバレッジをかけることでもらえるスワップ金利も増やすことが可能です。